現役テレビ局員の映画・ドラマ研究記

在京キー局で暗躍するテレビマンが送る、読んだら誰かにこそっと話したくなる映画・ドラマの徹底考察! ※本サイトの見解は全て筆者個人のものであり、特定の会社を利するものではありません。

オジサンと若者が絶対的に交われない2つの価値観の違い

どうしてこうまで無神経になれるのか…… 私が社会に出てから2年ほど経過するのですが、そのあいだ自分の中で永遠の課題となっていた「オジサンと若者はなぜわかりあえないのか?」という疑問に、現時点での答えが出たのでここに書き残しておきます。

日向坂46『キュン』× tiktokの凄まじい戦略

2019年4月2日付けで発表されたオリコンCD売り上げチャートにて、日向坂46のデビューシングル『キュン』が47万枚を売り上げ1位になりました。 これは、女性アーティストのデビューシングルとしては歴代1位の初週売り上げだそう。 まず、そもそも日向坂46と…

TSUTAYAの並びから見たレコメンド機能のあり方

近所にできたTSUTAYAのDVDレンタルが使いづらくてしょうがない。 正確に言えば、「思った場所に借りたい作品がない」のです。 例えば、人間味あふれるドラマでおなじみウディ・アレンの作品を借りようとTSUTAYAに入ったとします。 作品も具体的に、アカデミ…

「最強のメモ」講演で前田裕二さんに痺れる

先日、一橋講堂にて行われたNewspicksアカデミアの講演「最強のメモ」に参加してきました。 お目当ては、2018年末に発売されるや爆発的な広がりを見せているビジネス書『メモの魔力』の著者、前田裕二さん。 自分でもどういう巡り合わせか覚えていないながら…

『運び屋』かっこいいジジイが見つめる現代

88歳になっても全く衰えることなく映画を作り続けているレジェンド、クリント・イーストウッド。 歳を重ねるごとに作品からどんどん贅肉が削ぎ落とされていき、町山智浩さんが言うところの「盆栽みたいな映画」を極めているイーストウッドの新作が『運び屋』…

『バイス』伝記映画とエンタメ映画、二つの顔を持つ傑作!

これほどまでにショッキングな政治的告発がなされた映画だとは! 試写会にて一足先に見ることができた『バイス』ですが、終映後に経験したことのないレベルで劇場がざわついていました。

『アベンジャーズ』よ、オスカーに輝け!

今年のアカデミー賞の傾向を見ていて割と、いや、かなりの勢いで私の中で生まれたある予想がある。 『アベンジャーズ/エンドゲーム』、来年のオスカーで作品賞獲るんじゃないか?? 数年前まではこんなことを言っても誰も賛同してくれなかったかもしれないが…

アカデミー賞は『ROMA』をどう評価したのか

第91回アカデミー賞は、『グリーンブック』が作品賞の栄冠に輝いて幕を閉じた。 しかしその直後のWOWOWアカデミー賞中継スタジオの雰囲気が物語っていたように、「なんとも言い難い」モヤモヤが残った。 『グリーンブック』が決して悪い映画だと言っている…

『名古屋行き最終列車』の全国人気に見える、テレビの新しいカタチ

ORICON NEWSに、名古屋テレビ(テレビ朝日系列)が制作しているドラマ『名古屋行き最終列車』を例に出してローカルドラマの存在感がここ最近増してきたという記事が出ました。 『名古屋行き最終列車』も話題、“都落ち”感なくなったローカルドラマの立ち位置…

炎上動画を垂れ流すテレビはただの拡散装置と化す?

昨今話題の「パンケーキ食べたい」動画。もとい、「バイトテロ」動画の話。 なぜ若者たちがこんな動画を後先考えずにアップしてしまうかとか、これはSNSという可視化ツールがあるから起きたことでこういう行動は若者に限ったことではないとか、そういう話で…

『3年A組』 柊の授業はどこへ向かう?

毎週中盤あたりで「もうそろそろ離脱しようかな…」と思わせておいてラスト1分で「来週早く!!」と手のひら返させるドラマこと『3年A組』。 このドラマを見ていると、最後の爽快感だったり衝撃度がどれほどドラマ全体の満足度に影響するかがわかる気がしま…

ハリウッド版「君の名は。」に見えた新海誠との共通点

2016年、日本でジブリ以来となる超特大ヒットを飛ばしたアニメーション映画『君の名は。』 そのハリウッドリメイク版の監督をマーク・ウェブが務めることが明かされました。 マーク・ウェブ監督といえば「ほろ苦い恋愛」や「若者の苦悩」をかなり緻密に映画…

「アナ雪2」ティザートレーラーから予想できること

2月13日の朝、『アナと雪の女王2』のティザートレーラーが公開されました。 わずか1分半ほどの映像ながら、 ・登場人物全員に笑顔がまったくない ・エルサが何度も波に立ち向かっていく ・秋の国らしき場所で戦いが起きる など、おおまかに分けて3つの要素…

「3年A組 第1話・第2話」密室劇という名のショーケース

2019年冬クールで最も「トンガっている」民放ドラマ、『3年A組 今から皆さんは、人質です』。

いだてん 宮藤官九郎が描く戦後大河

2019年1月6日から放送の大河ドラマ「いだてん 東京オリンピック噺」。 脚本にNHK朝ドラ「あまちゃん」で知られる宮藤官九郎を迎え、中村勘九郎、阿部サダヲが2人でリレー形式で主人公を演じることになっています。 2020年の東京オリンピック開催に合わせ、1…

2018年映画ベストテン

「カメラを止めるな!」現象や「ボヘミアン・ラプソディ」の大ヒットなど、いつにも増して明るいニュースが多かった2018年の映画界。 そんな中、私が選んだ2018年の映画ベストテンをご紹介します。 2018年新作鑑賞本数:100本 (2018年映画鑑賞本数:161本) …

2018年鑑賞ドラマベスト10

年の瀬も迫ってきたということで、2018年をまとめるような投稿を。 今年もたくさんの映像作品を見てきましたが、このブログを始めるようになってからはより真剣に見るようになったと思います。 クールを見ている途中で仕事が忙しくなって視聴習慣が壊滅した…

獣になれない私たち 個人的に好きだったシーンをひたすら語る

これまでドラマの放送に合わせて速報レビュー、考察とアップしてきました。 タイトルが指し示す「獣」とはなんなのか? 深海晶という役はなぜ新垣結衣にしか演じられないのか? 野木さんが京谷のことを「一般的日本男子」と表現したのはなぜか? などなど。…

獣になれない私たち 最終話を執拗に考察する

晶と恒星の二人が、日常を破壊する爆弾を投げることで「獣に支配されない人生」を選択した最終回。 鐘は鳴ったのか、鳴らなかったのか? 二人はこれからどうなるのか?

「大恋愛 最終話」感想・レビュー

予想はしていたというか、そこに至るまでの話というのはわかっていながらもやっぱり結末を迎えてしまうとショックが大きく、、、 悲しいという感情もあるのですが、やり切れなさとか無力感とか脱力感とかの方が明らかにありますし、レビューをこうやって書こ…

「獣になれない私たち」 最終話 感想・レビュー

あの第九話の絶望的な状況から、ここまで美しい最終回が見れるなんて全く予想していませんでした。毎週水曜日の楽しみが終わってしまい、もはや余韻だけで書いている状態ですが、速報レビュー書いていきます。

獣になれない私たち 第九話を執拗に考察する

速報レビューでは、けもなれが言う「獣」とは「人と手を繋いで生きようとする人間を搾取する存在」のことだと書きました。この「獣」は日本中に巣食っていて、話を広げようと思えばいくらでも題材があるのですが、実はそんな「獣」に立ち向かう話って今まで…

「大恋愛」 第九話 感想・レビュー

このまま終わってほしくない、、、 冬クールドラマもそれぞれ終盤に入ってきて、残すところはほぼ最終回のみとなってしまいました。 私が主にブログを書いている2つのドラマ、「けもなれ」と「大恋愛」はそれぞれ来週が最終回。全10話構成でした。 昔は冬ク…

「獣になれない私たち」 第九話 感想・レビュー

野木さんの終盤力、、、!! これまで一見するとバラバラのように感じられていた主要キャスト5人の話が再集会直前になってついに一つになりました。 しかしそれは何か全員の攻撃目標が定まったとか、ゴールが決まったとかそういう類いのものではありません…

獣になれない私たち 第八話を執拗に考察する

あと二週で最終回ということがアナウンスされたけもなれ。 今週は恒星を悩ませ続けてきた兄弟の問題に一区切りがつく恒星回でしたね。 一区切りついたとは言うものの、妻と子供の元に帰ることができた亮太とは対照的に、福島の実家が解体されて帰る家がなく…

「大恋愛」 第八話 感想・レビュー

なんともいいがたいやるせなさを残して最終章へ突入、、、 小池徹平演じるMCI患者、松尾は今回で出番が終了なのでしょう。 尚と同じ病気を背負うものとして、また尚のダークサイド的な面を担った松尾でしたが、今週で完全にその役目が終わってしまった感があ…

「獣になれない私たち」 第八話 感想・レビュー

松田龍平、本当に素晴らしい役者さんだ、、、 第八話は先週の考察で予想したような展開でしたが、内容の面でははるかに私の想像を上回ってきた濃密な回でした。 これ、今回が初めてではなくてほぼ毎週毎週こっちが予想してきたもの以上のお話が繰り広げられ…

獣になれない私たち 第七話を執拗に考察する

相模湾と若狭湾。起きた出来事はまったく逆でも、一歩踏み出した女性にとっては「獣になる」ための大きな一歩なのは同じ。 そんな素晴らしい演出を見せてくれた第七話は、もやもやが停滞していた第六話とは打って変わって物語上大きな動きがありました。 晶…

「大恋愛」第七話 感想・レビュー

救いはないのか、、、! 先週は幸せなところから暗雲を漂わせて話を終わらせる、フリーフォールに乗っているような回でしたが、今週は落ちた先からさらに落とすという。 ただでさえ尚の病気が進行していくのに、失うものがないというある意味最強の武器を備…

「獣になれない私たち」 第七話 感想・レビュー

核爆弾、爆発させてやろうぜ! あぁ、すごい回だった。 先週の閉塞感が嘘のような、色々な物事に踏ん切りがついていく感覚。 回を重ねるごとに息がぴったりと合ってきたキャスト陣の、聞いているだけで楽しい豊かな会話劇。 その中で脚本家野木亜紀子さんが…