このまま終わってほしくない、、、
冬クールドラマもそれぞれ終盤に入ってきて、残すところはほぼ最終回のみとなってしまいました。
私が主にブログを書いている2つのドラマ、「けもなれ」と「大恋愛」はそれぞれ来週が最終回。全10話構成でした。
昔は冬クールは視聴率が取れやすいこともあって12話までとか普通にありましたし、最近でも冬は11話までやってくれていただけになんとも寂しい限りです。
侑市さんまさかのお義父さんに
本当に悲しい終わり方をした第9話でしたが、入りはかなり明るいコメディ調となっていました。
その最たるものがこれまで散々母親から見合いを迫られ、嫁探しをし続けていた侑市と尚の母の結婚。
結婚て!!!
二人がいい感じになっていることは映ってきましたが、まさか開始の10分のところでくっついて結婚にまでこぎ着けるとは。
そしてよくよく考えてみると、真司が言っていたような恐ろしい関係性が成立。
妻の元婚約者は、義理の父親になったのです。
こんな状況になった人ってこの世に存在するのでしょうか。
初めは真司に対する高い壁として立ちはだかっていたあの侑市さんが、ついには私たちに笑いを提供してくれるようなキャラクターにまで変貌を遂げるとは、、、
尚は本物のアゲマンなのか??
今回お話の中で何度も触れられていたのは、
真司にとって尚はどんな存在か?
という点です。
これはある二人の視点から語られていて、担当編集の木南春香からは
創造の源泉
と言っていましたし、佐川の先輩、富沢さんからは
自らを犠牲にして夫に力を与える本物のアゲマン
と形容されていました。
実は真司と尚、二人の関係性を考えると全く対照的な人生を歩んでいて、
真司は尚と出会ってから小説家としてカムバックし、「脳みそとアップルパイ」とその続編「もう一度第一章から」がベストセラーに。大きな一軒家まで建ててまさしく大逆転人生。
尚は真司と出会ってから婚約者である侑市と別れ、MCIが発覚し、病状はどんどん進行していく。
真司の人生が上向くのに反比例して尚は不幸になっていきます。
それでも二人は幸せそうにしていたのであんまり意識はしていなかったのですが、言われてみると「自分を犠牲にして夫に力を与えた」というのはまったくもって正しいのです。
そう考えると、第9話の最後で尚が家を去ったことの意味もまた違って見えてきます。
真司はイヤイヤながらも尚を題材にした小説「もう一度第一章から」を書き上げ、完結させました。それは週刊誌の記者が尚に向かって無神経にも質問したように、「自分のことをつまびらかに書く」行為でもあります。
すごく嫌な言い方をすれば、真司は尚の病気を吸い取りながら成功してきたわけです。
では、真司的には二人の関係を題材にした小説が終わりを迎えているということはどうなるか。
吸い取るべき養分がなくなる=真司にとって尚は必要なくなってしまう
この関係が成立してしまうわけです。
もちろんこれを真司が思っているとかそういうことでは一切なく、アゲマン説に乗っかるならそうなるという意味です。
でもそう考えることで、今週のあまりにも早い尚の病気の進行と別れの説明がつくような気がするのです。
初回からずっとそうだったように、「大恋愛」は真司の独り語り(小説の文章という体裁)、つまり真司の目線で語られる物語です。
これが真司にとって、「大恋愛」というMCIにかかった女性と出会うことで小説家が再起していくお話にすぎないのであれば、小説家として成功する部分までが大事で、その後はエピローグ的に取り扱っても問題はないわけです。
これはすごくマイナスな解釈をした場合です。ポジティブに解釈するとこうなるでしょうか。
真司が語るのは「大恋愛」という、一人の売れない小説家がMCIにかかる女性と出会うことで自らの夢を取り戻す物語。彼は100万部のベストセラー作家になって、幸せに暮らしました。二人が別れて行く部分は、真司にとって悲しすぎるので少し簡単に、、
こんな感じでしょうか。ドラマ上における真司のナレーションが小説の文章になっていること、おそらく「大恋愛」というタイトルの第三弾が出版されるのではないかという予想の元に解釈するとこんな感じになるでしょう。
裏を読んでみると、クリエイターとそれを支える者の犠牲という、かなり深いお話にまで踏み込めそうな気さえします。
風立ちぬで飛行機を作り続けた次郎と、それを献身的に支えた妻奈緒子のような感じですね。
これまでとても素敵な絆の物語を見せてくれた大恋愛、第8話、第9話とかなり辛い展開が続いただけに、最終回は何か希望があってほしいなあと願っています、、、!