2月13日の朝、『アナと雪の女王2』のティザートレーラーが公開されました。
わずか1分半ほどの映像ながら、
・登場人物全員に笑顔がまったくない
・エルサが何度も波に立ち向かっていく
・秋の国らしき場所で戦いが起きる
など、おおまかに分けて3つの要素が確認できました。
これらの映像から、『アナ雪2』がどういう内容の映画になるのかを予想してみます。
最近のディズニー映画の傾向や、オリジナルの『アナ雪』を考えてみると、結構話が見えてきます。
ティザートレーラーを見てみよう
Frozen 2 | Official Teaser Trailer
2月13日に公開された、『アナ雪2』のティザートレーラーがこちら。
全米で最も視聴率を取れるスーパーボウルのスポットCMで初公開されるのではないかと思っていたのですが、意外にもその1週間後の公開となりました。ディズニーとしては、同社の作品でもある『アベンジャーズ エンドゲーム』と被ることを避けたのかもしれません。
一つ注意点としてあるのは、「ティザートレーラーの映像が本編に使われる可能性は非常に低い」ということ。
あくまでも映画のコンセプトだったり、イメージを作り出す映像という側面が強いんですよね。
実際、オリジナルの『アナ雪』のティザートレーラーは、オラフとスヴェンが氷の上でニンジンを巡って争うという、アナもエルサも全く登場しない映像でした(「frozen teaser 2013」で検索すると出てきます)。
エルサが立ち向かう波が意味するもの
トレーラーで目を引くのは、やはりエルサが何度も波を越えようと自分の能力を使って挑戦を繰り返す場面でしょう。
これだけで少なくとも、「エルサが何らかの障害を乗り越えようと戦う物語」であることはわかります。
では、その障害とは何か? やはり考えられるのは、
・エルサの氷を生み出す能力
・エルサ自身のセクシュアリティ
の2つでしょう・
エルサにフィーチャーした内容になる?
『アナ雪』の初期設定では、エルサは悪役の予定でした。
しかし、製作が進むにつれてだんだんと彼女への共感が高まっていった結果、「自身の能力に悩んで行き場を失ってしまった女性」という設定に落ち着いた裏話があるんですね。
このせいか『アナ雪』には明確な悪役が存在せず、ハンス王子が中途半端に計略をめぐらして中途半端に物語からフェードアウトしていく構造になっています。
エルサという人物の魅力がヴィランという枠組みを大きく超えてしまったからこそ、オリジナル版でのバランスの悪さができ、そこが逆に「ヴィラン不在のディズニー映画」という強いインパクトを生んで大ヒットになりました。
彼女への共感がすでにできている続編では、やはりエルサの救いを見せる物語になるのが自然な流れなのでしょう。
その中で一番大きいのは、エルサが元々はレズビアンの設定だった点です。
この設定も、アメリカ国内でのマーケティング的な要素の観点から無しになりました。
ディズニーは意外とこういうところが保守的です。
しかし、大ヒットした映画の続編となれば、よほどのことがない限り多くの人がもう一度見てくれることは確実ですから、ある程度内容面で冒険できます。
つまり、『アナ雪』では諦めたエルサ自身のセクシュアリティ問題を掘り下げるには絶好の機会なのです。
このことは、先日公開された「シュガーラッシュ2」の中で、主人公のヴァネロペが「SNS上で自己実現を図る」道を選択するストーリーになったことからも読み取れます。
若者の中で生まれ始めている「好きなことをして生きていく」という価値観を主要なアニメーション映画としては初めて表現したんですね。
これも、オリジナル版「シュガーラッシュ」がヒットして内容的にチャレンジできることを利用したことが大きいと思います。
ということで、『アナ雪2』ではエルサの問題、特に自身のセクシュアリティに対してどう向き合うかということを取り上げたかなり新しい内容の映画になることが予想できます。
そしてその道が、かなり波乱に満ちたものになることも映像から読み取れますよね。
エルサは何度も波に飲み込まれていますし、例えばクリストフとスヴェンは戦いに臨むような表情でトナカイ(違いましたよね、なんでしたっけ笑)を大勢引き連れています。
誰の顔にも笑いはなく、向かう先も寒々しい秋の世界です。
これから新キャラクターや世界観なども続々と発表されていくとは思いますが、その度にみんなで予想していくのも楽しいかもしれませんね。