現役テレビ局員の映画・ドラマ研究記

在京キー局で暗躍するテレビマンが送る、読んだら誰かにこそっと話したくなる映画・ドラマの徹底考察! ※本サイトの見解は全て筆者個人のものであり、特定の会社を利するものではありません。

獣になれない私たち 第四話を執拗に考察する

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 スマホを落として散々な目にあいがちな田中圭が松田龍平を思いっきりぶん殴った第四話。日本シリーズが押したことで放送時間がなんと23時15分と、これもまた「おっさんずラブ」とほぼ同じ時間帯に。どこまで田中圭推しの回なんだ(違う)となりつつ、内容も深夜にふさわしいディープなものに。私的ベスト回を考察していきます。 


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あらすじ

 5tapで晶と喧嘩した夜、京谷は呉羽と寝てしまっていた。呉羽の家にスマホを忘れた京谷は5tapに電話し、晶にもそのことが伝わる。

 晶が呉羽の元へスマホを受け取りに行くと、呉羽はあっさりと京谷との夜を明かす。衝撃を受けた晶は、恒星の事務所へと駆け込む。「呉羽流の冗談だよ」と恒星は出まかせを言うものの、彼にも冗談ではないことはわかっていた。

 晶が家に帰ると、京谷が待っていた。晶がスマホを返すと、京谷は問い詰められたわけでもないのに浮気を謝罪する。「今までだって一度でも浮気したことはない」と言った京谷を無視して晶は家を出る。手にはリサーチで使うゴーヤ麺を持ったままだ。

 5tapに向かうと、恒星と出会う。二人はしこたま飲んだ末に、恒星の事務所になだれ込んだ。

 恒星の事務所で寝ようとする晶。しかし、いくら酒を飲んでも一線を超えられない。結局晶は獣になることができないまま。評判通り恒星は「最中に寝る」始末。

 翌朝、京谷は晶を探して5tapに来る。そこには恒星がいて、晶が持っていたはずのゴーヤ麺をタクラマカンにあげている。どういうことかと問う京谷に、「晶が昨夜自分のとこに泊まった」と答える恒星。京谷は衝動的に恒星を殴ってしまうのだった。

 

第四話登場クラフトビールと元ネタ

インサイダー IPA

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 序盤、三郎と泡について一悶着していた時に出てきたもの(タップ3)

 

元ネタ:アウトサイダーブルーイング(山梨)

outsiderbrewing.jp

 

インサイドからアウトサイドへ投げ分けてきました。

 

湘南酒造 ピルスナー

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 晶と恒星が飲みまくってた時のタップ1です。

 

元ネタ:熊澤酒造 湘南ビール(神奈川)

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湘南に残された最後の蔵元 - 熊澤酒造株式会社

 

湘南にある蔵元のようです。

 

薬萊山ビール 〇〇エール

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 飲みまくってた時のタップ2。名前は言っていませんでしたが、ちらっとタップのとこに名前が載っています。もはや画像解析のレベル、、、!何エールかは判読不能でした。

 

元ネタ:薬萊ビール

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株式会社薬莱振興公社 やくらいリゾート[やくらい地ビール]

 山が抜けたものの、ほぼそのままの名前で登場。読み方難しい。

 

箕輪 W-IPA

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 飲みまくりタップ3。

 

元ネタ:箕面ビール(大阪)

www.minoh-beer.jp

 

 みのわ→みのお の一文字改変シリーズです。

 

だいさんGビール バーレーワイン

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 恒星が気を利かせて晶にふるまったバーレーワインです。

 

元ネタ:大山Gビール(鳥取)

g-beer.jp

 本来は大山(だいせん)と呼ぶところを、ストレートにだいさん、と変用。

 

今回は以上です。たくさん出てきましたが、もじり具合はそこまでなかったので割り出しも意外とできました。

 

経理部の怪文書は一体何?

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私も二回目を見るまで完全に忘れていましたが、第四話は恒星がヘルプで入っている元事務所でのちょっとした事件から始まりました。

 「経理部の人間が何年も着服している3000万以上」

普通なら内部通報窓口を使うか、こういう紙を出すにしても個人名を挙げるということで愉快犯だと恒星に一蹴されていました。

 

ただ、わざわざ紙を差し込んだ人間の影を出しているのでこの後犯人が出てくるかもしれません。

ですが、恒星が今仕事をしている会社は元事務所の顧客であり、恒星との直接的な関係ありません。なのであったとしても恒星の過去絡みに発展することはないとは思いますが、、

そもそも元事務所へのヘルプはそこまで大きな話ではなかったので今週も出てくること自体予想外でした。

 

呉羽の過去がさらに小出しに

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何かと謎の多い呉羽ですが、今週も経歴が語られ、少し素性が見えてきました。

アパレルブランドの広告が呉羽自身ではないことを晶が突っ込むと、

「事務所が色々言うから」と答えを返します。つまり、昔(今も?)モデルをやっていたということです。

さらに先週、NYに住んでたことがあった話をしていますから、結構活躍の幅が広いモデルとして活動していたことが考えられます。

また、元モデルで自分のアパレルを立ち上げる人は意外と多いですから、自分で服を着ているうちに作りたくなってしまい、橘カイジと出会って資金を経て開業したという流れがあるのだと思います。

ここで橘カイジという名前が出てきたことも注目ですが、

上場を考えているのだから呉羽の会社が傘下に入っていたりしてもおかしくない=服飾の販売会社、、、ということは、、、、、

私の前澤社長説が濃厚になってきました(なってない)。

 

ちょっと気になる晶の待ち受け画面

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これは小道具的な遊びの可能性が高いので伏線とはまた違うと思いますが、晶のスマホの待ち受けは「クリオネ」の画像です。

ちょいちょい画面が出てきて気になっていたんですよね。

クリオネは流氷の天使なんて呼ばれていますから、癒し効果を求めてこの画像を晶が待ち受けに選んだのでしょう。

しかし、ご存知の方も多いと思いますが、クリオネって獣になった時めちゃめちゃ怖いんですよね。

捕食の瞬間、格納されていた口が飛び出してきて、

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こうなります。うーん怖い。

 

晶も普段は天使のような顔をしていますが、最終回あたりに獣になることができた暁にはこんな風になってしまうのかも、、、

 

幻想的な事務所シーンの元ネタは?

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今期のドラマの中でも屈指の名場面となった恒星の事務所でのシーン。

水田伸夫ディレクター特有の、緑がかった背景が印象的でしたが、男女の感情が高まるシーンにこの照明の使い方は様々な名作映画で使われています。

 多分一番ピンとくるのは最近話題になったこの映画でしょう。

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ディミアン・チャゼル監督の「ラ・ラ・ランド」です。

二人が気持ちを伝え合い、これからの未来を「city of stars」の歌詞として歌い上げる名シーンです。

笑顔でお互いの表情を見ながら歌うだけでも素敵なシーンなのに、背景のカーテンが緑がかった光を帯びていて、夢のような映像を作り出しています。

 

 実はこのシーンにもさらに元ネタがあって、言うなればけもなれのあのシーンの元ネタの元ネタということになりますが、それはこの映画です。

 

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アルフレッド・ヒッチコックの「めまい」。

愛する女性を失った主人公は、偶然その女性に瓜二つの女性と巡り会います。

愛した彼女を忘れられない彼は、その女性にひたすら元恋人と同じような格好をするように強要し、ついには髪色までブロンドに染めさせます(だいぶ雑にあらすじを解説してます)。

それをお披露目するシーンがこれなのですが、「ラ・ラ・ランド」よりもさらに空想上の出来事のような印象を与えます。

映画としての「めまい」の素晴らしさと共に、男女が夢のような気持ちになるときにグリーンの光に包まれるのが一つの定番になったのですね。

 そのシーンを意識したのかそもそもの水田作品の色味からこうなったのかは定かではありませんが、二人が獣を目指して寝ようとしたシーンはこんな元ネタがあります。

日テレドラマ

ということで、京谷と晶の関係がどうなってしまうのか、朱里の元へ向かった晶の真意は、など既に妄想が膨らむ第五話。楽しみに待ちましょう!

 

今週は、これにて!