スマホを落としただけなのに!!
と言いたくなる始まり方から、とんでもない方向に転がって、転がって、転がって、転がれなくて、恒星が転がった(物理)、ものすごい第四話でした。
映画「スマホを落としただけなのに」で、文字通りスマホを落として絶叫する田中圭が、まさかのけもなれでもスマホを落としたニアミス。
けれど京谷がこうなったのは明らかにスマホを落としただけではないですよね。いつまでたっても朱里と切れず、呉羽の誘惑に耐えきる事ができず(まあ、勝算ないですよ)、その結果恒星のゴーヤ攻撃に完敗。
いくらなんでも尊厳を踏みにじられすぎていた晶の姿を見かねて、恒星が反撃のパンチをくらわせたんですよね。その鮮やかすぎる手法、あとあれな、
ラムだったら甘いよ
言ってみたい!!!嘘だろ!!!言ってみたい!!!!!
そんな名台詞をガッキー相手に言える松田龍平は、前世でどれほどの得を積んできたのでしょう、、、
謎が謎を呼ぶ呉羽ー恒星関係
毎週ちょいちょい出てくる二人の関係性。今回はついに元カノでもないという衝撃の事実がさらっと出てきました。先週呉羽は、思いがけないところから車が突っ込んできたことを「別れた理由」と言っていましたから、少なくとも付き合っているのは揺るぎないと思っていただけになかなかの驚き。
呉羽は付き合っていたと思っているけど、恒星はそうではない。けれど恒星の方がそういう関係にあったことをいつまでも引きずっている。
これはどんな関係が考えられるのでしょう、、、
また、呉羽の旦那の名前が「橘カイジ」であることもわかりました。
上場を考えている会社の経営者で、ググれば名前が出てくる。
勝手にZOZOTOWNの前澤社長を想像してしまった私。
恒星に税務処理を任せたいと話していましたから、いよいよ本格的に登場の時が誓いのではないでしょうか。
そして、今後晶と恒星の距離が縮まったときに呉羽が参戦してくる一つのキーポイントにカイジさんがなるかもしれません(すでに賭博黙示録感が強い)。
本当に獣になれない晶たち
今回、やはり恒星の事務所での会話シーンが屈指の名場面でしたが、そこに至るまでの流れも素晴らしかったです。
そもそも、話の始まりからして流れが変わっていました。
というのは、いつもは5tapで右側(TAP5から)から攻める恒星が、TAP3でスタートしたからです。
対して晶は、いつもTAP1からスタートし、左から右へと流れて行きます。
すごく細かいことではありますが、今まで1-5の距離感だった二人が、1-3に変わった。恒星側からTAP2つ分歩みよったわけです。
面白いのはこのシーンの直後、三郎が晶に「右へならえ」のポーズから距離感の話をして、
「最初はちょっと離して、次は徐々に近づく」
的なことを言っているんですよね。恒星自身がその教えを実践しているかのよう。
そしてクライマックスにかけて。今度はタップを両端からなぞるようなことはしません。
二人は初めて、同じタップのビールを飲みました。
TAP1、TAP2、TAP3と、まるで二人の気持ちをカウントアップしていくかのような飲みっぷり。
最後に恒星からのバーレワインのプレゼント。これは晶が周年パーティの時に飲めなかったヴィンテージと同じもの。恒星はきっと、先週晶とその話をしたことを覚えていたのでしょう。これで晶の
「馬鹿になってみます?」
のセリフを引き出します。
でも、ここからが一筋縄ではいかないところ。
酒を少なくとも5杯入れていれば、もし一時の情にほだされて男女関係をもったとしても自分にも相手にも「酒のせい」と言い訳をできるような状態。
晶も恒星も、結局は酒を入れた末に馬鹿になることを拒否します。
二人にとってはこれでいいのかもしれませんし、その選択をしないことが、一時の情に流されて呉羽と寝た京谷への復讐になると思ったのかもしれません。
でも、それって絶望的だと思いませんか?
もういい加減色んなしがらみから抜け出したいと願い続けて、その行動もお膳立ても十分にされたはずの晶が、まだ獣になることができなかった。
じゃあ、いったいどうすれば獣になることができるのか?
これが野木さんの脚本の面白いところだと思います。
もしかしたら、晶の悩みは多くの人からみたら大したことがないのかもしれません。
あのとき恒星と寝てしまえばよかったのに、、と思う人もやっぱりいるでしょう。
でも、そういう普通の解決策を見つけてもその場しのぎにしかならない。
逃げ恥の二人が、普通の婚姻関係になることを放棄して新しい夫婦のあり方を模索したように、普通を拒否するところから別の方法を考える。
このクールが終わる頃には、晶が一体どんな答えを見つけて、どんな選択をするのか、本当に楽しみでしょうがないです。