現役テレビ局員の映画・ドラマ研究記

在京キー局で暗躍するテレビマンが送る、読んだら誰かにこそっと話したくなる映画・ドラマの徹底考察! ※本サイトの見解は全て筆者個人のものであり、特定の会社を利するものではありません。

「正義のセ 第四話」感想・レビュー

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 先週広瀬アリスちゃんについてのまったく関係ない恋愛話を中心に感想を書いたところ、まるでさざなみが立っているかのように何の反応も見られなかったので若干傷ついています(自業自得)。ドラマブログを書いていて面白いのは、実際の視聴率とブログを書いた時のリアクションの数が大きく異なるところです。おっさんずラブなんて4%しか取ってないのにこのブログのアクセスの30%を占めていますから、いかにSNS上利用者層と視聴者層が異なっているかをリアルタイムで観測できる場でもあるわけです。

感想:アリスちゃんの彼氏マジで出てきたよ!!!!!

 

 さっきの反省はどこへ行った!!!いや、私自身ラストにまさかの展開が待っているなんて思ってませんでしたよ!!!凛々子側の恋愛話を動かすことができない代わりに家族の事情を動かしてくるとは!!しかも現実に即して(?)、婚約者役の身長はかなり高かったのを私は見逃しませんでした。ここまで色々やってくるからには、後半で凛々子の検事側の話に絡んでくるんだろうか。では、あらすじを。

 

あらすじ

 港南検察所で検事としてスタートを切った凛々子(吉高由里子)。今回取り調べを行うのは、赤信号を無視して横断歩道をバイクで突っ切った際に男性をはねて死亡させてしまった勝村。凛々子は取り調べを進めるも、あまりにもあっけなく事故の責任を全面的に認めてしまう勝村の態度に疑問を抱く。遺族として残された佐藤の話を聞く一方で、容疑者である勝村の人となりに興味を持った凛々子は、彼の職場を訪れる。すると、勝村は悪人などではなく、自分の夢のために努力をしていた矢先に不運にも事故を起こしてしまっただけなのではないか、という可能性が浮かび上がるのだった。

 

スーパーオーソドックス!!!!

 今週は普通でしたね。いや、楽しかったですけども!!なんていうか、このドラマの面白いところ(あくまで私的、ですが)は吉高ちゃんが検事としての仕事をしながら恋愛もうまいこと頑張っていく、という人間としてのパッケージ全部的な魅力だと思うんですよ。それが先週で、ある意味ひとつの結末を迎えてしまった。検事として仕事を頑張るから今は恋愛をしている暇はない、となったわけですから、それはまあ今週くらいは恋愛しないでまじめに仕事しますよね。そこでバランスを取るために家族側のエピソードを恋愛に持って行ったのだと思うのですが、やはり主役のエピソードが見たかった。もしくは相原事務官の元パートナーのお話をここで入れてもよかったのでは?と思います。もしかしたら後半のキーにするためにわざと隠してる可能性もありますが。

 なので今週はすごくマイルドな、平和な吉高ちゃん検事ワールドが展開されていたので、まあこういう週もないとお仕事ドラマとして成立しなくなっちゃうから仕方ないのかな、なんてことも思ったりします。

 

毎回実施する「家族裁判」が面白い

 第四話にして今更気付いたのですが、「正義のセ」では毎週実時間25分が経過した時点で、凛々子一家によるその週の「模擬裁判」が行われて、どこがその週の論点になるのか、検事的な目線と一般の目線の相違はどこにあるのか、などの少しとっつきにくい部分を明確にしています。今週は、「被害者遺族が厳罰を望む理由」と、「安易な厳罰は加害者側の人生を破壊する恐れがある」の2つが争点になっていましたね。それが豆腐屋さん一家のコメディ芝居でさらーっと紹介されていて、見やすい工夫ってこういうところでもできるんだなあと思いました。例えば2時間モノの推理サスペンスだったら、1時間経過時点で急に事件の整理を始めたりしてその時間チャンネルを回した人も入れるようにする、という視聴率的な側面でのテクニックがあったりします。去年の月9「貴族探偵」でもこのように、半分尺を使ったら事件を整理、という手法は使われていましたね。

 

 というわけで、そんな家族模擬裁判にも注目して見てみるといいかもしれません。そして、アリスちゃんの婚約者の職業がまだ明かされていないのでここもまた注目ですね。アスリートとかだったら完全にやりにきています。