現役テレビ局員の映画・ドラマ研究記

在京キー局で暗躍するテレビマンが送る、読んだら誰かにこそっと話したくなる映画・ドラマの徹底考察! ※本サイトの見解は全て筆者個人のものであり、特定の会社を利するものではありません。

「コンフィデンスマンJP 第三話」感想・レビュー

f:id:agumon360:20180416221053p:plain

 昨日「ブラックペアン」が初回を迎えたばかりだというのに、早くも第三話に突入した「コンフィデンスマンJP」。第二話の視聴率が7.7%と、なんとも手厳しい数字になっていましたが、挽回なるか。私自身はどのドラマが高視聴率を取ろうが利害関係がないので直接的にはどうでもいいのですが(逃げ恥レベルの跳ね方だったらボーナスが上がるとかするんでしょうか)、フジテレビがやけにこだわっている「うちは視聴率は悪いけど視聴熱は高いんです!」っていう文言も信用できないんですよね。そもそもTwitterとかブログでドラマに関して発言する人って元の視聴熱が高い層だと思うので、やっぱり視聴率イコールクオリティ、とまではいきませんが、視聴率≒クオリティくらいはまだ言えるんじゃないでしょうか。

 

 え?ごたくはいいから感想を述べよと??

 

 いや、ごめんなさい!!!正直今週そんな感想ないんです!!!

 

 だって、あんまり面白くなかったんだもの!!!!

 

f:id:agumon360:20180423011946j:plain

とりあえず口直しに小泉孝太郎をぶち込んでおく

 いや、第三話ということで3パターン目の騙し方が見れたのですが、クール始まる前から宣伝していた「二転三転するジェットコースタードラマ」はどこに行ったんでしょうか、、、、

 ストレイトストーリーというか、良く言えば王道なんでしょうけど(美術商ってコンゲームでは定番の素材だと古沢さんも言ってましたね)、「え?このまま石黒賢騙されて終わるの?」と、二週間見てきてあまりにも疑い深くなったせいか消化不良感。もはや馬場ふみかちゃん(今週の唯一の見所じゃないでしょうか)のおっぱいがパッドだったとかそういう引っくり返し方してオチつけるのかな!!!と思うほど何事もなく成功して終わってしまったように思えます。

 これ、絶対「アンナチュラル」が日本ドラマを前進させた影響だと思うんですよ。あと「リーガルハイ」と「デート」も。前者は海外ドラマのような、プロットポイントが5分に一回きて話が大きく動くドラマが日本でも作れることを証明してしまったばっかりに、日本ドラマのスピード感が大幅に更新されてもはや今までの二転三転が通用しなくなってしまった。後者はどちらも「コンフィデンスマン」の脚本家である古沢さん自身の作品ですが、この二作品は「いや、たまに思うけどそこまで極端じゃねえよ!!」と突っ込んでしまうような、言語化されていない日常のもやもやを古沢さん独自の視点で誇大表現する手法が私にとって面白かったんです。

 だけど、「コンフィデンスマン」はそれが薄まっている。古沢さんが作る世界観の面白いところだけがつまみ出されて話が展開しているような気がして、なんとも見ていて乗れないというか、絶妙な塩梅で面白くない。これ、最近のフジテレビドラマの一つの傾向だと思うんですけど、ハマる人にはめちゃくちゃ面白いんだろうけど、なんだかかゆいところに手が届いていない。じゃあどうすればいいのか?前クールの「海月姫」とかも見ていて(3話でリタイアしましたが)考えたんですが、どうにも答えがないんですよね。これが「視聴率は悪いけど、視聴熱は高いんです!」に象徴されていると思います。好きな人内部だけで完結して、外に広がっていかない感じ。ぶっちゃけドラマなんてそういうものだと思うんですけど、口コミで広がっていかないといつまで経っても視聴率は回復しないまま、視聴熱だけが高まっていく。この循環がここ2、3年のフジドラマを苦しめていると思います。

 

 ともあれ、次回は「映画オタク篇」ということで、期待値は高いですよ!!!でも、来週もこんな感じだったらリタイアしようかな、、、、と若干思案中です。