私的今クール一番の当たり作である「シグナル」。原作は韓国ドラマということなのですが、いい感じに日本アレンジがされていますね。もともと文化圏として近い国同士なので、例えば日本映画のハリウッドアレンジとかで我々が感じるような「これじゃない感」があまりない。まぁ韓国のオリジナルのファンからしたらどうなのかはわからないところなのですが。
感想:警察が東映映画っぽい!!!!!
90年代の警察ってこんな感じだったの!?ってくらい、今の警察組織と97年の大山が所属する警察の風土が違いますね。完全にヤクザというか、白石和彌監督の「日本で一番悪い奴ら」みたいな東映風味をすごく感じます。元の韓国ドラマではさすがに警察をこんな風に描いていないと思うので、ここは日本流にアレンジしてるのでしょう。だけどそれが東映的警察ってところが笑えます。冤罪とかバンバン作り出してそうですよね。それはさておき、あらすじを。
あらすじ
三枝健人(坂口健太郎)が1997年に起きた連続殺人事件を再捜査することになった直後、謎の無線が再び繋がり、大山剛志(北村一輝)と8年ぶりに言葉を交わす。無線越しの大山は、1997年の殺人事件の捜査の渦中にいた。大山が三枝の予知により犯罪を未然に防いだことで、2018年にもある変化が起きていた。三枝は、大山のいる世界でこれから起きる出来事を再び伝えるが、それは大山が警察の信用に関わる重大なミスを犯したことを意味していた。1997年、刑事としての自信を失いかけていた大山を励ましたのは、自分を更生させてくれた大山に恩義を感じている北野みどりだった。大山はみどりの笑顔に救われるが、、、(Tverより)
過去どころか未来も変わる変わる!!
あらすじをTverから引っ張ってきたんですが、あんまりよくないですね(引っ張ってきといてなんだ)。あらすじ手抜きするくらいなら書くなよってツッコミが飛んできそうですが、あとで自分でブログを見返した時にお話を思い出せるから意外と重要なんですよね。
それはおいといて、無線機で1997年の大山と交信することで、現在が変わってしまうという驚きの結末を迎えた第二話。第三話はそのリアクションから始まりました。過去が変わったことを知っているのは三枝のみ(客観的事実として存在するのですから当然なのでしょう)、さらに大山が過去の犯罪を防いだことで他の事件の起きた場所や時間まで変わっている。三枝はそれを元に犯人に近づいていく。そういう内容だったのですが、これは過去改変モノの危うげなところを上手く利用しているというか、「過去変わったら過去の都合悪いところだけ修正できる」ようなありがちなファンタジーのやり方はせず、「過去が変わったらその分だけ未来も変わる」、つまり捜査の土台が根本から変わっている、そしてその変化前後を両方とも知っているのは三枝だけ、という設定に使っています。こうすることで未来と過去が分断された2つの世界にならず、過去から文脈を引き継いだ現在、となり、「過去を未来に影響を与えるためにいかに変更するか?」というミステリーサスペンスのような要素が追加されています。これ考えた人相当頭いいですよね。
そして、過去が変わったことでついに2018年側で事件が再び動き出すことになります。タイムラグが20年ならば、容疑者が20代だった場合ガンガン動かせますからね。ここをどのように描いていくのかとても楽しみです。
大山、トムクルーズならず
前回のレビューで、「大山はトップガンの頃のトムクルーズを真似している」と書き、その上でトムクルーズの代名詞である「トム走り」をすることに期待を勝手にこめていました。そして早くも大山が全力疾走することになるのですが、すごいダサい。いや、熱情に走りやすい若手刑事が犯人を追うときにトムクルーズみたいな走り方されたら逆に冷めるんでいいんですけども!!!
ということで、走り方がダサい大山の謎もまだまだ明かされていない「シグナル」、来週も楽しみです。