内容があまりにもどうかしすぎてて感想でそれを超えることができないレビュワー殺しドラマこと「おっさんずラブ」。ツイッターのホットワード第一位になっていて、さらに驚くべきはそのツイート数。放送後1時間で約12万ツイートされていました。ゴールデンタイムのドラマでさえ5万ツイートくらいが平均値で、10万超えを果たしたのは「花のち晴れ」の松潤がカメオ出演してツイッターサーバーを崩壊させた時のみ。つまり「おっさんずラブ」はそのどうかしてる内容で松潤並みの話題を集めていることになります。視聴率がどれくらいになっているのか楽しみですね。実は私、今週はリアルタイムで見ることができなかったのですが、帰宅した時はちょうどドラマが佳境を迎えている場面で、こんな画面が映っていました。
いや、何があった!!!!!!1
家帰ってきたら吉田鋼太郎が叫んでいたのでこれは絶対に頭から見なければいけないと確信してそそくさとテレビを消し、風呂に入ってTverの配信が解禁される時刻をいまかいまかと待っていました。
感想:一体どこへ向かうの、、、??
初めは吉田鋼太郎の乙女感でぐいぐい攻めてくる、悪く言ってしまえば出オチ色の強いドラマかと思っていた(回を重ねるごとに飽きがくるどころかどんどんものすごくなっていったわけですが)のに、よく考えてみればドラマ史上初の試みをやっている実験的なドラマだということがわかってきますね。
恋愛ドラマの前提が崩壊している
これは、このノリのドラマでここまで考える必要ある!?っていうことなのですが、「恋愛対象は異性のみである」というのは今までの恋愛ドラマの暗黙の了解というか、まあそれが当然だったわけです。最近になってトランスジェンダーの話が出てきたりしていますが、おっさんずラブは実は特殊です。それは、「異性愛者」だった春田が男性からも女性からも好意を寄せられて、どちらも選択することができる状況の中で最終的にどういう結論を出すか?という、今までにないドラマのオチをつけなくてはならないところです。もちろん、幼馴染のだーりおとくっつくこともできるのだと思いますが、それでは面白くないというか、ここまで心の揺らぎを描いてきたのに結局今までのドラマのパターンから脱出することができないということになってしまいます。
似たようなドラマのパターンとして、「モテキ」を先週あげましたが、あの場合は主人公の精神的な成長が主眼におかれていたので「誰を選択するか?」という結論の部分は明確に打ち出さずに終わらせても問題なかったわけですが、おっさんずラブの場合はどうするのでしょうか。めちゃめちゃコメディですが、だからこそ答えの出し方は周到に準備しているはず。
毎回行われる謎フィルター
バーフバリ並みのキメ画にこだわっているおっさんずラブですが、今回もそれがありましたね。部長を春田が振るシーン。部長がハートブレイクした瞬間、今までおぼろげな円形だった背景の明かりが割れたハート型になりました。これカメラにフィルターつけてるか後から加工しているかのどっちかだと思いますが、他にも泣いているときは後ろが涙のマーク(紡錘形のやつです)になっていたり、確かだーりおがケーキ買ったあとはハート型になっていたりしました。こういう細かいところの遊びの部分が役者の演技を下支えしていますよね。
あとはまあ、吉田鋼太郎の振り切った演技ですよね。振り切ったというか、これはもはやそういう言葉では表せない次元ですね。役者としての全ての技量をかけている。ものすごい残念なことに、土曜11時の枠って7話で最終回なんですよね。だからあと三回。部長の乙女演技が見れるのも残りわずかとなってしまいました。そして、春田が一体どんな結論を下すのか。新しいドラマの形を意外なところから放り投げてきた「おっさんずラブ」。来週も楽しみですね。