私が毎回微妙な感想をひねり出している月9「コンフィデンスマンJP」。だって古沢さん大好きなんだもの!!キレッキレの頃の作品にあった社会の切り方とか独自の目線とかが削ぎ落とされているんだもの!!!友人の狂信的なドラマ・映画好きとも話したのですが、その人もあんまり好きではないらしく、「ミックス」書いたあたりから種が抜かれてしまったとまで言っていました。
感想:これ、古沢さんの心の叫びじゃね!??
登場人物には「西郷どん」で井伊直弼を演じる佐野史郎が映画マニア役として出演し、50代くらいの、たまに見かける「厄介映画ヲタク」の属性をいかんなく発揮していました。いや、どこでとは言いませんが、昔の映画ばっか見て今の映画全然見ないくせに文句言ってる人ってやっぱりいますよ。私的には黒澤の「七人の侍」も深みがあるし、「アベンジャーズ インフィニティウォー」にも深みがあるしでいいと思うのですが、基本的に現代の大作を見てない。知らない。そういう人、たまにいます。
なんの話かというと、この回って「ミックス」の脚本書いてる時の古沢さんの実体験をちょいちょいぶち込んでるんじゃないかってことです。あくまで妄想ベースですが。
例えば佐野史郎が製作委員会に名を連ねてからの、「俺の好きなように脚本を変えろ」、「俺を出演させろ」などの無茶な要望。これによって作品の内容を大幅に変えざるを得なくなってしまう。あとはボクちゃんが改稿を重ねまくって疲弊した時の叫び「生まれ変わっても脚本家だけにはならない」。これ冗談も入ってる(というかメタ的な笑いだと思うんですが)し、こんな風にスポンサーにぐちゃぐちゃにされるんだったら脚本なんか書かねえよ!!っていう皮肉も入ってるように思えるのです。
ものすごく余談なのですが、ハリウッドで近年最もスポンサーにぐちゃぐちゃにされた映画ってDCユニバースのスーパーマン映画「マンオブスティール」だと個人的に思っています。これ引き合いに出せば、古沢さんの苦悩を疑似体験できるのでは、ということでちょっと紹介を。
これ、一時期話題になったんですが、まぁスーパーマンと敵のゾッド将軍がものすごい苛烈な戦いを繰り広げた後のカットなんですよ。後ろになんか映ってますよね。
これ、ゾッド将軍のミサイル級の攻撃を受けた後なんですよ。市街地ほぼ吹き飛んで、建物も爆破されると。それを受けてもう一度このカット。
セブンイレブンですよ。どんなにミサイル攻撃を受けても、「あの」スーパーマンが吹き飛ぶような衝撃波が走っても、スーパーマンの背後に映るセブンイレブンの看板だけは絶対に壊れないんです。興味のある方見てみたらいいと思いますが、本当に笑っちまいます。このカットだけでなく、戦闘中これでもかと執拗にセブンイレブンの看板は見切れ続けます。この時点で映画のリアリティは完全に崩壊しますよね。しかもスーパーマンは劇中「自分はこんな強い力を持っちまってどうしたらいいんだ」って真剣に悩んでるんですよ。いや、お前より強い力持ってるスポンサーが後ろにいるから!!って思いますよね。そんな感じで、ハリウッド映画でさえ出資者の力に内容を大きく左右されてしまうことだってあるんです。
それを受けて今週を見ると、最後の「映画の世界って詐欺師しかいない」とか、「これはお前の映画じゃないんだよ!!!」っていうボクちゃんの叫びとか、まあ取り方によっては古沢さん、「ミックス」でなんかあったのかな?って勘ぐってしまいます。そしてなんだか歯切れの悪い「コンフィデンスマンJP」の世界全体にもそれが波及してしまっているのかなあと思ったりもするわけです。完全に妄想なので、実際は全然違うと思いますが。このドラマを機に古沢さん自身がブログを書いているのでそれで何を書くかとても気になります。
まあこの作品にスポンサーの意向がどうとかは正直ないんじゃないかとは思います。そうなった時に、自由な脚本執筆を妨げる要因となる、今作における「映画マニア」的立ち位置って言ったら、プロデューサーさんとかになるんでしょうか。完全に邪推ですね。
というわけで、先週から全然ドラマ自体の内容について言及してないことからもわかる通り、このドラマ、私は正直あんまり楽しめてないです!なので来週レビューあげるかは気分次第です、、、、