現役テレビ局員の映画・ドラマ研究記

在京キー局で暗躍するテレビマンが送る、読んだら誰かにこそっと話したくなる映画・ドラマの徹底考察! ※本サイトの見解は全て筆者個人のものであり、特定の会社を利するものではありません。

「コンフィデンスマンJP 第二話」感想・レビュー

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 昨日二日遅れで投稿したTBS金10「あなたには帰る家がある」がものすごいアクセス数をいただき、読者様の数も爆上がりしました。予想外すぎてとっても嬉しいのですが、その分ちゃんとレビューあげてかなきゃなあと謎の責任感に見舞われております。まぁでも、義務感で書いてるわけではなく、色んな人と大好きなドラマの感想を好き勝手言い合うための土台として感想をつらつらしているので、楽しさ100でやれています。

 さてさて、先週私が自分でもびっくりするくらいの酷評(あとで読み返したら、こいつは親でも殺されたのかって書き振りに自分で引きました)を書いた古沢良太さんの新作、「コンフィデンスマンJP」の第二回でございます。

 

ikem.hatenadiary.com

 

前回の自分の感想としては、

・騙す部分の演出に納得がいかない!

・東出くんの棒演技は狙いなのか実力なのか!

長澤まさみかわいい!

の3本柱だった感じですね。今週もリアルタイムでワクワクしながら見ました。

 

感想:ほらぁ!!演出次第じゃぁーーーん!!

 

 演出家さんを個人攻撃するつもりではないですが、今回はオーソドックスな、誰かがアクションを起こして、そのリアクションをしっかり見せて、というわかりやすい演出が徹底されていて、前回私が酷評していたサスペンスのなさも(少しですが)解消されていました。コメディタッチで騙し騙されって、一番難しいジャンルではあるとは思うのですが、今回は役者も世界観に入り込めてきた&視聴者側もノリを受け入れて見れたということもあって、この作品の見方を提示できた回だったのではないでしょうか。

 

あらすじ

 ロシアンマフィアを騙そうとして失敗し、またしてもひどい目に遭わされたボクちゃん(東出昌大)は、足を洗うと言い残してダー子(長澤まさみ)の元を去り、田舎の少しさびれた旅館「すずや」に住み込みで働き始める。しかし、その旅館は敏腕社長の桜田しず子(吉瀬美智子)が経営する大手ホテルチェーン「桜田リゾート」によって不当に買収されようとしていた。「すずや」の女将に心惹かれていたボクちゃんは、彼女を助けるためにダー子に助けを求める。カジノ併設型リゾートの開設を目論んで、様々な黒い人脈を駆使して暗躍する桜田の人柄を知っていたダー子は、次のターゲットを彼女にすることに決め、桜田リゾートの秘書として潜入を開始するのだった。

 

地味ダー子初お目見え!

 主演俳優陣の「七変化」を一つの売りにしている今作。初回では長澤まさみはCAに軽やかにチェンジしていましたが、今回は敏腕女社長の地味目の秘書という、二回目にしてなんともくさいところというか、変化球にもほどがあるような変化を見せました。私が見てきた長澤まさみは、やっぱり「プロポーズ大作戦」とか、「海街diary」に出てくるような、活発で、いっちゃえば「一軍」感の強いすっきりとした女の子という印象が強いです。なので今回のような地味で、ボソボソと早口で喋るキャラクターに振りきった演技が新鮮でした。それだからこそ一味の元に戻った時のキラキラとした「今私、人を騙してる!!」という表情がとても素敵に映っていました。全然関係ないですが、超タイムリーにダー子も言ってましたね、

 

大きいことは、いいことよ

 

 パシフィックリムとなぜか被るという。さすがに古沢さんもこのタイミングで狙いようもないので偶然の一致でしょうが、笑ってしまいました。

 それと、今回のダー子のセリフの畳み掛け方や、人をだまくらかしてケタケタと笑う圧倒的なスピード感と爽快感は、「リーガルハイ」のコミカド先生を思わせるところがありましたね。長澤まさみ自身も、初回ではどこか手探りのような、「こんな世界観で大丈夫なのかな?」っていう多少のふらつきが見えたものの、今週ではもう自分の中で落ち着かせる場所を見つけたのか、かなりキャラクターとして輝き始めました。

 

「コンフィデンスマンJP」的ストーリーの楽しみ方

 前回は小騙し→小騙し→中騙し→小騙し→大騙しという風に、ストーリーを二転三転させることにかなり重きが置かれた脚本になっていて、それが過剰にコメディタッチの演出とうまく融和しないという問題点が浮かんでいました。しかし今週は、星野リゾート、あ、間違えた、桜田リゾートの社長をいかに騙すか?の計画立てから実行という、わりと素直な展開になっているので落ち着いて見れましたし、ボクちゃんの心の揺らぎ、という点もしっかりと感情が描けていたので話としても見応えがありました。そして最後の最後に無人島の所有者自体違う人だった、という、舞台設定そのものをひっくり返すことで視聴者を騙していました。私は「おお、それは思わなかった!」となったのですが、みなさんはどうでしたか?

 桜田社長もボクちゃんに感化されて一からまた仕事をやり直すというところが、古沢イズムというか、お互い激しくやり合う中で共感を抱いてしまうおなじみの手法を使っていて、今回はわりかし「リーガルハイ」寄りの脚本になったのかなと思いました。

 こんな風に、どういう舞台設定で騙していくのか、初回のようにコロコロさせていくのか?今回のように最後だけひっくり返すのか?それとも他の手法か?という、騙し方がどんな風に変わっていくのか楽しみながら見るのが今作の見方の一つかもしれませんね。

 

あえて「リチャード黒幕化説」を唱えてみる

 「コンフィデンスマンJP リチャード」の画像検索結果

 これは完全に妄想かつ、誰かが言い出す前に言っておいて、偶然そうなったら予言者ヅラできるように適当に考えただけなのですが、「コンフィデンスマンJP」を支える三銃士の一人であるリチャード(小日向文世)に、なんだか不気味な気配を感じます。

 まだまだ序盤で、ボクちゃんとダー子の関係性しか描けていないという面もありますが、リチャードの人間性はそこまで明らかになっていません。ダー子とは長年騙し屋家業をやってきた仲なのでしょうが、おそらくスキル的にはダー子よりも上。しかしその実力を隠しているように思えるのです。ここからの大筋の展開として、ゴッドファーザーこと江口洋介がまた復活してくることが予想されますが、その絡みで実はリチャードが彼と繋がっていた、みたいなそんなことがあってもおかしくないような気がします。

 

 という、なんの根拠もない陰謀説を振りまいておきながら終わりたいと思います。コンフィデンスマンJP、来週も楽しみです。